ご挨拶

 この度、日本の音楽文献目録委員会の委員長に就任いたしましたこと、大変光栄に思います。音楽文献目録委員会は、1966年、ニューヨーク本部の国際組織の要請を受け設立されて以来、日本の音楽文献をデータベース化し、国内外の研究者や音楽愛好家が容易にアクセスできるよう紙媒体による『音楽文献目録』を刊行。現在ではオンライン版に移行し、「音楽文献目録オンライン」で会員向けに公開しております。それに加えて、国際音楽文献目録(RILM)への文献情報の提供も行っております。現在、日本にもいくつかの文献データベースができておりますが、このデータベースの特徴は、単に文献を網羅的に収集するだけではなく、それらをジャンルと時代に分類し、クロスリファレンスができるように項目を立てている点です。そのために、研究に必要な文献をピンポイントで探すだけではなく、関連する隣接分野や時代を体系だって検索することが可能になり、研究や調査を進めていく上において必要な「緻密な」文献検索の大きな力となっています。

 近年のICTの目覚ましい発展に伴い、当委員会でも新たな事業としてスタートさせた「音楽文献目録オンライン」が軌道に乗ってきたため、文献検索が極めて容易かつ迅速になりました。さらに近年の自動翻訳サイト等が発達したおかげで、海外から日本語文献の検索もアクセスすることができるようになってきているだけに、『音楽文献目録』の重要性はさらに増しています。

 今後は、日本で発表される音楽文献のデータ収集と国際音楽文献目録へのデータ提供をさらに充実させることによって、日本の音楽文献の国際的な認知度向上と、日本の音楽研究のさらなる発展に貢献してまいります。皆様の変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 2024年04月

音楽文献目録委員会(RILM日本支部)
委員長 宮崎晴代