事業内容
音楽文献目録委員会(国際音楽文献目録委員会日本支部 Répertoire International de Littérature Musicale National Committee of Japan)は、1966年に設立された国際音楽文献目録委員会本部の要請を受け、翌年1967年に日本音楽学会を母体団体として設置されました。設立以来、『音楽文献目録』(第22号以降の名称。第1号は『日本音楽文献要旨目録』、第2~21号は『音楽文献要旨目録』として発行)の編集・発行、及び国際委員会作成の『RILM Abstracts』(国際音楽文献要旨目録)への編纂協力(国内の文献情報提供)という二大事業を行っています。
国際音楽文献目録委員会概要
1966年、音楽関係の学術的文献を網羅した『RILM Abstracts』(国際音楽文献要旨目録)作成のために設立されました。この目録は『国際音楽資料総目録』(RISM、1952年設立)、『国際音楽図蔵資料目録』(RIdIM、1971年設立)とともに、音楽関係資料目録の国際的プロジェクトのひとつです。
国際本部はニューヨークにあり、世界55ケ国に支部があります。各国支部と本部間の連絡会議は、毎年開催される「国際音楽資料情報協会 International Association of Music Library」(IAML)の国際会議の会期中におこなわれます。日本支部にあたる当委員会は、国際委員会に日本の優れた音楽文献情報を提供することで、日本の音楽学研究の動向を世界に紹介する重要な役割を担っています。
『音楽文献目録』とは
日本国内で発表された一年分の音楽関連文献を網羅的に収録した目録で、当委員会より毎年一回(第1号:1973年)発行しています。
本目録には、西洋音楽、日本音楽、音楽教育、民俗音楽、ポピュラー音楽、さらには音楽に関係する文学、歴史学、教育学、宗教学、社会学など幅広い分野にわたる文献、その他アートマネージメントやジェンダー研究など比較的新しい研究領域の文献情報が収められています。収録文献数は年々増加しつつあり、近年は毎年1000件を超える数の文献情報が掲載されてきました。とりわけ大学の紀要論文や修士・博士論文などの情報は、書店や他の一般的目録などには見出されないものです。 このため本目録は、音楽関係者、音楽学や音楽教育学の研究者ばかりでなく、文学、歴史学、美学、芸術学、民族学、民俗学、教育学など、あらゆる領域の研究者にとっても不可欠の目録であり、図書館、研究施設、各分野の研究室に常備される基本図書となっています。また、データ・ベース資料としても重要なものです。
音楽文献目録委員会のあゆみ(年表中の人名は敬称略)
1966 | 国際音楽文献目録委員会(RILM/ニューヨーク本部)設立 |
1967 | RILM国内委員会(現・音楽文献目録委員会/RILM日本支部)設立。日本音楽学会を母体団体に、東京芸術大学音楽学部楽理科研究室を仮事務所として文献収集開始 初代委員長:野村良雄 委員:服部幸三、小泉文夫、皆川達夫 秘書:小林達子 |
1971 | 南葵音楽文庫の業務にRILM事務局の作業を編入 同文庫の主任、正木光江がRILMの事務局長に就任 |
1973 | 母体団体に東洋音楽学会、音楽図書館協議会が加わり、委員会は日本音楽学会を含めた3団体から3名ずつ選出された計9名の委員+事務局長の10名で構成(~1991年) 『日本音楽文献要旨目録』(第1号のみの書名。以後、第2~21号は『音楽文献要旨目録』、第22号以降は『音楽文献目録』と書名を変えて発刊)の発刊 |
1977 | 南葵音楽文庫の閉鎖、財団法人解散により、事務局業務停止 |
1978 | 事務局が武蔵野音楽大学江古田校舎福井記念館地下の一部屋に移転 |
1983 | 国際音楽資料情報協会(IAML)が母体団体に参加 アカデミアとの販売独占契約 |
1989 | 事務局の編集作業に、コンピュータを導入 |
1992 | 日本音楽教育学会が母体団体に加わり、委員会は計5団体から選出の合計15名の委員+事務局長の計16名で構成 『音楽文献要旨目録』の日本音楽の分類を変更、索引を五十音順に変更、アルファベット表記の欧文人名索引を追加 |
1993 | 事務局で目録印刷費を支払い、直接販売を開始。所有権を委員会に返還 「RILM国内委員会」の名称を「音楽文献目録委員会」に改称 冊子名『音楽文献要旨目録』を『音楽文献目録』に変更 |
1995 | 『音楽文献目録』(1~20)を4冊に合冊した復刻版を刊行(発売:第一書房) 『音楽文献目録索引』(1~20)を刊行(発売:音楽文献目録委員会) |
1996 | IAMLペルージャ国際会議にて、IAMLの機関誌Fontesへ国内文献の情報提供を受託 |
1997 | IAML日本支部からの委託作業としてローマ字化と英訳を担当 |
1998 | ロームミュージックファンデーションの助成(1998~2003/2005)により、『音楽文献目録』の電子データ化のためのプロジェクトを立上げ、電子データ化を開始 |
2008 | 国際本部の新しい入力システム「iBis」を使用し、『RILM Abstracts(国際版音楽文献目録)』用文献データの直接入力を開始 |
2009 | ロームミュージックファンデーションの助成(1998~2003/2005)により、『音楽文献目録』36号までの電子データ化完了 |
2013 | 音楽文献目録発行40周年記念事業としてウェブ検索システムを企画 花王財団の助成により、検索システムの作成開始 |
2015 | 4月、音楽文献目録委員会事務局は武蔵野音楽大学の建て替え工事のため、2017年3月まで大学近くの25号学舎に移転。移転までの間、委員会を国立音楽大学附属図書館や東京音楽大学付属図書館で開催 6月、RILMの国際本部があるニューヨークで、RILM創設50周年を記念して国際音楽学会(IMS)とIAMLとの共催で国際会議(Music Research in the Digital Age: joint IAML/IMS Congress 会期6月21~25日) が開催される |
2016 | ウェブ検索システムの構築着手 |
2017 | 3月、IMS(東京藝術大学にて開催)において、RILMと音楽文献目録委員会(RILM日本支部)のセッション開催 4月、高久国際奨学財団の助成を受け、RILMへの文献データ送付作業を継続 |
2018 | 6月、IAML日本支部と音楽文献目録委員会(RILM日本支部)共催による国際学術会議(「アジアの音楽情報と国際協力の推進:音楽資料の調査と音楽図書館の連携」)を立教大学で開催 同会議において、国際本部より、音楽文献目録委員会(RILM日本支部)事務局長の関根敏子の勤続30年表彰 9月、同会議の報告書(本文英語)を刊行 |
2019 | 11月、武蔵野音楽大学の地下室工事のため、2020年9月まで事務局は25号学舎に再び移転 |
2021 | 4月、冊子体(紙媒体)の『音楽文献目録』から「音楽文献目録オンライン」へ移行。日本ポピュラー音楽学会が母体団体に参加 |
委員・役員・事務局
現在の委員・役員一覧(2024.4.1.~)
委員長 | 宮崎晴代(2024.4~) | |
委 員 | 日本音楽学会 | 木内麻里子/三城桜子/和田ちはる |
東洋音楽学会 | 太田暁子/丹羽幸江/山下正美 | |
日本音楽教育学会 | 磯田三津子/大田美郁/駒久美子/橋本久美子 | |
音楽図書館協議会 | 石川亮子/加納マリ/野川夢美 | |
国際音楽資料情報協会日本支部 | 伊藤真理/児玉瑞穂/宮崎晴代 | |
日本ポピュラー音楽学会 | 川本聡胤/高橋美樹/小西潤子 | |
監 査 | 金澤正剛・木間英子 | |
事務局長 | 大河内文恵 | |
事務局員 | 目録編集・総務 | 井澤友香理/落合美聡/甲斐久美子/川村麗倭皇 清水彩那/菅原修一/徳田佑子/饗庭裕子 |
国際版 | 井澤友香理/猪又悠佑/岩渕育子/大城了子 落合美聡/甲斐久美子/清水淑子 コリーン・シュムコー/菅原修一/早坂牧子 三代真理子 |
歴代委員一覧 → PDF